「兄様が消えたですって~~~~~!?」













翌朝。

通常であれば、ほとんどの人が朝食を迎えた後でもいい時刻に。






広々とした屋敷に、その絶叫は響き渡った。












客室の一室にて、その絶叫を真正面から浴びた最大の被害者グラースは、頭に痛みが走り思わずその場に蹲る。


そんなことなど気にも留めず、絶叫の発生元であるローズは従者の首根っこを引っ掴む。




「どういうことよ、このとうへんぼくっ。ちゃんと隈なく探したの?ここの警備はどうなってんの!?」


「う、お、落ち着いてください、ローズ様っ」


「これでどう落ち着けっていうのよ、事情を説明してちょうだいっ」


「は、はいぃっ」



グラースは言われるままに事情を話し始めた。