「ここに来るなんて信じられないわね。貴方、自分がしたことをもうお忘れなのかしら?ねぇ、ガーネット」


「全くで」


ここぞとばかりに同調し、こちらをバカにするガーネット。


二人のバカにするような態度に反応するのも癪なので、ローズは無視して黙々と食事を続けた。


いつものことだ。大したことない。


そうやって自分を宥めていたが、相手は彼女の反応を求めているわけではなかったようで、その後もこちらを中傷する言葉は続いた。


困った様子で時々当主が二人を仲裁するが、懲りる様子はない。



ローズはただ黙って聞き流すしかない。

どんなに殴りかかりたくても、どんなに叫びたくても、プライドが許さないし、よりにもよって愛しの兄がいる前で醜態をさらしたくなかった。


だからローズはあえて冷静に考える方に、思考をシフトした。



(私が何をしたというのよ)


しかし、怒りはそう簡単にはやまない。

冷静に考えても、わけもわからず責められている現実にすぐに怒りが結びついて、また腹立たしくなった。


どんなに考えても、彼らが自分を“人殺し”と言って自分を蔑む理由がわからないのだ。