「ロー、ズ、様?」
歯切れ悪く問いかけてくる従者に、ローズは笑顔でいう。
「グラース、命令よ。今すぐ部屋を出なさい」
グラースは一目散に部屋を飛び出した。
しかし腐っても彼は従者である。
去り際に「夕飯の時間になりましたら、お呼びしますからねっ」とちゃっかり零し、扉が閉じられた。
そんな従者を笑顔で見送ったあと、ローズは改めて兄を見上げた。
「兄様。ききたいことがあるの」
「何かな?」
穏やかに、兄は聞き返す。
ローズは小さく、息を吸った。
「ブルー兄様の、お父様のこと」
言って、ローズは自分の視線がなぜか落ちたのを感じた。
自分でも知らず、視線が落ちた。
その視線が落ちたのは、視界の端に兄の顔が一瞬だけ変わるのを目にしてしまったからだろう。
歯切れ悪く問いかけてくる従者に、ローズは笑顔でいう。
「グラース、命令よ。今すぐ部屋を出なさい」
グラースは一目散に部屋を飛び出した。
しかし腐っても彼は従者である。
去り際に「夕飯の時間になりましたら、お呼びしますからねっ」とちゃっかり零し、扉が閉じられた。
そんな従者を笑顔で見送ったあと、ローズは改めて兄を見上げた。
「兄様。ききたいことがあるの」
「何かな?」
穏やかに、兄は聞き返す。
ローズは小さく、息を吸った。
「ブルー兄様の、お父様のこと」
言って、ローズは自分の視線がなぜか落ちたのを感じた。
自分でも知らず、視線が落ちた。
その視線が落ちたのは、視界の端に兄の顔が一瞬だけ変わるのを目にしてしまったからだろう。