「ロ、ローズ様?」


「グラース」


ローズはかっと音を立てて、従者の前まで足を進める。



「夕食は?」


「あーはは…はは……そろそろでございますね、ローズ様」


わざとらしくえへへと笑って見せるグラース。

火に油とは、まさにこのことだ。


ローズの目がきらりと光る。


「さては忘れていたわね、グラースっ。信じられないっ」


「け、けして忘れていたわけではありません。ただ………」


「ただ?何かしら?とても素晴らしく正当で文句のつけようのない真っ当な理由でも存在するのかしら?」


ローズの視線に、グラースは涙目になりながら目を逸らす。
しかしローズの視線は揺るがない。

そんな二人の攻防に割って入ったのは、


「ローズ」


黙ってその様子を眺めていたブルーだった。