時間はあっという間に過ぎ、時計の針は一時を指していた。
 
 
「ねぇ、もうお昼過ぎたよ?」
 
 
「…じゃあ行くか。」
 
 
そう言うと白魔は私を抱き抱える。
 
 
「…え?」
 
 
「ちゃんと掴まってろよ。」
 
 
 
「は…?
掴まってろって、何する気!?」
 
 
「何するかは、今わかる。」
 
 
そう言うと白魔は窓から出た。
 
 
「ぎゃあぁ!落ちるっ!」
 
 
慌てて私は白魔にしがみつく。
 
 
「…だから掴まってろって言っただろ。」
 
 
「掴まってろだけじゃ、何も分からないでしょ!
理由もちゃんと言ってよ!」
 
 
「大きい声出すんじゃねえっ!
耳痛くなんだろ!」
 
 
「誰のせいよ!」
 
 
私は口をとがらせた。
 
 
「ほら、着いたぞ。」
 
 
「………!」