「…………。」








それから私達の暮らしはお父さんが
いたときの生活よりずいぶん変わった。
お母さんは仕事をするようになった。

私は大きくなって気づいた。
お母さんがほんの少ししか泣かなかった
のは、きっと私達に悲しい思いを
させないために、お母さん自信が
強くなろうとしたんだろう。それなのに
私は自分のことばかり考えていた。
お母さんの気持ちも考えずに…。

誰だって生きているうちに辛いことは
たくさんある。みんなその辛いことを
乗り越えて生きているんだ。
だから…私も強くなろうと心の中で
誓った。
お父さんがいない生活は寂しいけど、
お母さんとお姉ちゃんいてくれる。
それだけでもう幸せだから。
強くなろうと。そう思えたから。