目が覚めたのは昼過ぎだった。

辺りを見回すと誰もいない。


「…だょ。」


廉斗の声だ。


「あぁ…よく寝てる。起きるのはまだまだ先かもな。」


誰と話してるんだろう?


よく寝てるって…私のことかな?


「じゃぁ終わったら連絡するよ。お前も早くこくっちまえ。好きなんだろ?琴弥が。」


えっ?今なんて言った?


ってか誰と話してたの?


えっ?

えっ?


「エェ~っ!!」


思わず叫んでしまった。


廉斗の背中がビクッと反応する。


「姫が起きた。また電話するよ。」


そう言って電話を切ってこちらへむかってくる。


「おはよ。朝からデカイ声出すなよ。何そんなに驚いてんの?」


「だって琴弥がす…すき…だっ…だれ?」


私の興奮は収まらない。


廉斗は、呆れたように私を見る。

「お前ずっと一緒にいて気付かなかったのかよ。慎二が、琴弥のこと好きだって。」


えっ?慎二が?


琴弥を?


「全然気づかなかった。」


「やっぱり…じゃぁ俺の気持ちにも気付いてなかったんだろうな。」


廉斗の気持?


「昨日お前にコクらせなかったのは、酒が入ってたって言うのもあるけど、俺が告白したかったからでもあるんだ。花梨に初めて出会って、説教されたあの日から、お前が気になってた。彼氏がいるのかとか、好きなタイプとか、慎二にいろいろと聞いてた。」


全然知らなかった。


「好きだ。花梨。」


真っ直ぐに私の目を見て語る廉斗。


目が…離せない。


その綺麗な瞳を、ずっと見ていたいと思った。


「廉斗…私も…好き。」


廉斗がそっと唇を重ねてくる。

私は、何の抵抗もなく受け入れた。


ちょうどその頃、私たちの親友もカップルとなり、車の中でキスをしてたとか。