ある日、私は勇気を出すことにした。


その日、廉斗と、慎二は次の日が休みだからと、みんなで夜中まで騒いでいた。


お酒がだんだんと、底をつき、私は思いきって、廉斗を買い出しに誘った。


廉斗は、喜んでついてきてくれた。


慎二からお金を受け取って、家を出る。


私たちは、コンビニへ向けて歩いた。


「こうして歩いてると、カップルに見えるのかな?」


廉斗は、私のことどう思ってるんだろう。


気になって聞いてみる。


「見えてるかもなぁ~。」


廉斗が笑って答えた。


期待しちゃうよ。


そんなこと言われると。


「廉斗!!」


思わず呼び止めた。


少し先を歩いて、廉斗が振り返る。


「何?」


「私…私ね…廉斗が好き。」


気付くと廉斗に口を塞がれていた。


「ダメだ…。」


「えっ…。」


不安になる私に、廉斗は、さらに続けた。


「違うんだ。嫌いとかじゃなくて、今酒が入ってるだろ?そう言うことは、酒が入ってないときにきちんと聞きたいんだ。だから、今日はダメだ。」


廉斗は、そう言うと先にコンビニの中へ入った。


私も慌てて後を追う。


適当に買い物を済ませて、コンビニを出た。


荷物は、廉斗が持ってくれた。

そんなさりげない優しさも、私だけにしてほしいと、よくばる私がいた。


しばらくお酒を飲んで盛り上がった後、朝方になって、私たちは眠りについた。