「……いや、何か……いい方法がないか、考えます」
 だが香月はそれには答えず、
「私は今日仕事探さないと……。食べ物、ありがとうございました。さっき水をいっぱい飲んだけど、水は冷たくて。あ、風間さん、ちゃんとジュース買ってくれてる。私がコーヒーとか紅茶飲まないの、覚えててくれたんですね」
 気が随分晴れたのか、自然と笑顔が出ていた。
「……」
「風間さん、本当、ありがとうございます。あなたが来なかったら、今日、私はとても落ち込んでて……仕事なんて探しに行けるような状態じゃありませんでした」
「……香月さん……」
「……」
 香月はそこで黙った。
「香月さん、明日……いや、今日にでも寄れたら、もう一度、来ます」
「大丈夫ですよ」
 香月は笑った。
「風間さんは早く、少しでも早くおうちに帰ってあげて下さい」