目も合わせられず、ただ泣くのを堪えて一生懸命言葉を探す。
「……、妊娠するのが、怖かったから」
「チッ……」
 水野は舌打ちすると、読んでいた雑誌をテーブルの上に叩き置いた。明らかにイラついていると分かるその乱暴な態度で、すぐに立ち上がり、
「来い」
 と、先頭に立って寝室へ入って行く。
「……」
 できないと知っても、無理にでもしようとしているとしか思えないその非道な神経に、香月は怯えた。
「早く来い!」
 部屋の中から怒鳴られる。
 行けば、無理矢理されるかもしれない。そうしたら、自分の身体が一体どうなるのか、分からない。
 足が動かず、立ち尽くすことしかできず、それが余計水野を苛立たせた。
「来いっつてんだろ!」
 痺れを切らし、中から出てきた水野は、それでも腕をつかみ、寝室へ強引に入らせ、ベッドの上に投げ捨てた。
 そう、掴まれた腕は痛いし、ベッドの上で信じられないくらい身体が弾んだ。
「くそっ……」
 無理強いされる!!
「……!?」
 強く、強く抱きしめて来る。
「何で黙ってした!? ぁあ!? ふざけるなよ!」
 その口調とは裏腹に、腕はきつく体を抱きしめて来る。
「いたい……」
「当然だ」