軽く妥協したつもりが、果ては、本気の相手の真意ともいえる濃密な時間を数時間も過ごしてしまったせいで、翌日、正午を回ってから起きた頃には、心身共に疲れ果てていた。
ベッドの上でぼんやりと目を開け、頭の下にある堅い腕の感触で、巽がすぐ側にいること知る。
煙の匂いがし、すぐに、タバコをもみ消す音が聞こえた。
「目が覚めたか?」
巽は待っていたかのように、腕を動かして頭をどかせた。
「……今何時……?」
「昼だ」
「……何時?」
「……昼は12時に決まっている」
面倒くさそうに巽は答えたが、昼が12時だといつ決まった!?と香月はだるい頭の中で思った。
巽は部屋から一度出て行ったかと思うと、すぐに帰ってくる。どうやら、トイレを我慢していたようだ。起こすのが悪いと思って動かなかったのかもしれないが、そんな事気にしなくていいのに、と少し嬉しくなる。
「何か飲むか?」
既にミネラルウォーターを手に、己の口に当てながら聞いた。
「水でいい」
巽はボトルを手渡そうとするので、
「口移しで飲ませて」
と、寝たまま上目使いで見上げた。
「まだねだり足りなかったとはな」
巽は微笑しながら近寄ってくる。
「突っ込まれたまま奥を擦られて、イかせてと懇願するのも、水を飲ませてとねだるのも、お前の中では同じなのかもな」
「違うよ!!!」
香月は、赤面したまま大声を出した。
どうやらとにかく、巽は上機嫌この上ないらしい。
口に水を含み、ゆっくりと顔を下ろしてくる。
ベッドの上でぼんやりと目を開け、頭の下にある堅い腕の感触で、巽がすぐ側にいること知る。
煙の匂いがし、すぐに、タバコをもみ消す音が聞こえた。
「目が覚めたか?」
巽は待っていたかのように、腕を動かして頭をどかせた。
「……今何時……?」
「昼だ」
「……何時?」
「……昼は12時に決まっている」
面倒くさそうに巽は答えたが、昼が12時だといつ決まった!?と香月はだるい頭の中で思った。
巽は部屋から一度出て行ったかと思うと、すぐに帰ってくる。どうやら、トイレを我慢していたようだ。起こすのが悪いと思って動かなかったのかもしれないが、そんな事気にしなくていいのに、と少し嬉しくなる。
「何か飲むか?」
既にミネラルウォーターを手に、己の口に当てながら聞いた。
「水でいい」
巽はボトルを手渡そうとするので、
「口移しで飲ませて」
と、寝たまま上目使いで見上げた。
「まだねだり足りなかったとはな」
巽は微笑しながら近寄ってくる。
「突っ込まれたまま奥を擦られて、イかせてと懇願するのも、水を飲ませてとねだるのも、お前の中では同じなのかもな」
「違うよ!!!」
香月は、赤面したまま大声を出した。
どうやらとにかく、巽は上機嫌この上ないらしい。
口に水を含み、ゆっくりと顔を下ろしてくる。