吐息が荒くなっていく。
 その必要もないのに、何度も座り直すように腰を引いたり、よじったり、を繰り返してしまう。
 足の指先に力が入り、妙にミュールの中を擦る。
 丁度、へその下の下着のゴムの辺り。そこで、何度も下着の中と外を行き来するようにためらうように指の先を少し出し入れする。こちらは、その先を待って腹筋に力が入ってしまい、無意識に息を止めるが、強引に入れられた舌に全てを制され力を緩めてしまう。
 とにかく、快感の中心が熱い。
 大きく、波打つのが分かる。
「……着きました」
 言われるまで全く気付かなかった。
 ドクンと大きく鼓動が鳴る。
 慌てて、腕を振りほどこうとしたが、そうさせてはもらえず、逆にジーパンの上から望んでいたところを、強めに押されて、身体がしなった。
 一瞬の逃避。
そんなつもり、さらさらなかったのに、数秒擦られただけで、身体がガクンと揺れるほど波打った。
直後、耳元で
「どうした?」
と囁かれながら息を吹き入れられ、思わず、
「あぁっ……!」
 という声が漏れる。
 その声の大きさに自分が一番驚いた。
 風間に、聞かれた!
 巽はズラした上半身の下着をそのままに、ティシャツを下ろしてから、形がはっきり分かるようになったところを指でつまむマネをする。
 位置は完全にそうなのだが、力は入れてもらえない。
 腰が、ビクンとはねた。