身内開催のパーティというのはどうもいけない。半分遊びになってしまう。
四対財閥の長男であり、現社長は、叔父が所有する古城をモチーフにした邸宅のだだっ広いテラスで、火照った体を一旦沈めようと外に出ていた。背を柵にもたれかけて、夜空を見上げる。星がいくつも輝いている。ニューヨークで見たプラネタリウムを思い出そうとして、やめた。次元が違いすぎる。
誰かがテラスへのドアを開けることに気付いてそちらを見た。
「……」
無言でいよう、無言でいようと思っていたのに、相手から近寄ってくる。ということは、
「何でこの前俺に話した?」
と、話しかけてほしいに決まっているのだ。
先日、香月からの携帯を奪って話しかけて来た巽光路は、株価暴落につながる極秘情報をいとも簡単に話したのであった。ある企業の社長が政治家へ数億をの賄賂を贈っており、その裏がとられたという話。そこに数億投資していた四対は、その情報のおかげで、損をうまく免れたのだが、何故そんな情報を提供してきたのか、四対はずっと不思議であった。
「別に」
巽はほとんど飲んではいない。仕事だからだろう。
「この前……あいつと飯行ったよ……。
避妊手術の、話……」
「……」
巽は胸ポケットからタバコを取り出しながら言った。
「お前なら、傷つけはしない」
四対財閥の長男であり、現社長は、叔父が所有する古城をモチーフにした邸宅のだだっ広いテラスで、火照った体を一旦沈めようと外に出ていた。背を柵にもたれかけて、夜空を見上げる。星がいくつも輝いている。ニューヨークで見たプラネタリウムを思い出そうとして、やめた。次元が違いすぎる。
誰かがテラスへのドアを開けることに気付いてそちらを見た。
「……」
無言でいよう、無言でいようと思っていたのに、相手から近寄ってくる。ということは、
「何でこの前俺に話した?」
と、話しかけてほしいに決まっているのだ。
先日、香月からの携帯を奪って話しかけて来た巽光路は、株価暴落につながる極秘情報をいとも簡単に話したのであった。ある企業の社長が政治家へ数億をの賄賂を贈っており、その裏がとられたという話。そこに数億投資していた四対は、その情報のおかげで、損をうまく免れたのだが、何故そんな情報を提供してきたのか、四対はずっと不思議であった。
「別に」
巽はほとんど飲んではいない。仕事だからだろう。
「この前……あいつと飯行ったよ……。
避妊手術の、話……」
「……」
巽は胸ポケットからタバコを取り出しながら言った。
「お前なら、傷つけはしない」