「相手は捕まってる」
「……」
「でも、こんな私でも、あの人は私にはすごく優しい。……私には、すごく優しい。そんなこと、全然、思い出さなくなる。ほんと。忘れる」
「……よく普通に外出られるな、会社も、帰り遅いだろ?」
「怖いよ、本当は。怖くて、動けなくなる時もある。
けど、そんなこと考えてたら、どこにも行けないし、何もできない。
だから、あんまり考えないようにしてる。
何も考えないようにして、……る」
四対は、小さく息を吐いて目を背けた。
「……話変わるけど、千の女は大丈夫なのかよ……、元女」
「佐伯ね」
香月は名前を教えた。
「うんまあ、元気そうだよ。今うちに泊まってる。もう2週間くらいになるかな……」
「千の奴、昨日いきなり招待状送りつけてきやがった」
香月は固まった。まさか、誕生パーティの招待状ではない。
「……結婚、するの?」
「だってさ。昔からだよ、親のいいなりになるのは」
「……けど、それが千さんにとって、一番いい道だって……親は思ってるんだろうね」
「もうちょっと……根性のある奴だと思ってたのになあ……」
四対は、宙を仰ぐ。
「……佐伯は……千さんと知り合って、本当変わっちゃったよ……。金銭感覚が」
「あいつ、気前はいーんだ」
「私もかなあって言ったら、四対さんに、スーパーのリンゴの皮出すなら大丈夫だって言われた」
「(笑)、まあ、それが庶民だろ?」
四対はふざけ顔で言ったが香月は、
「そうだよ……私たちが稼ぐお金なんて知れてる。だから私も、いつもスゥィートとか泊まるけど、それは自分のお金じゃないって、ちゃんとするようにしてる」
「例えば?」
四対は、お茶を飲みながら聞いた。
「……」
「でも、こんな私でも、あの人は私にはすごく優しい。……私には、すごく優しい。そんなこと、全然、思い出さなくなる。ほんと。忘れる」
「……よく普通に外出られるな、会社も、帰り遅いだろ?」
「怖いよ、本当は。怖くて、動けなくなる時もある。
けど、そんなこと考えてたら、どこにも行けないし、何もできない。
だから、あんまり考えないようにしてる。
何も考えないようにして、……る」
四対は、小さく息を吐いて目を背けた。
「……話変わるけど、千の女は大丈夫なのかよ……、元女」
「佐伯ね」
香月は名前を教えた。
「うんまあ、元気そうだよ。今うちに泊まってる。もう2週間くらいになるかな……」
「千の奴、昨日いきなり招待状送りつけてきやがった」
香月は固まった。まさか、誕生パーティの招待状ではない。
「……結婚、するの?」
「だってさ。昔からだよ、親のいいなりになるのは」
「……けど、それが千さんにとって、一番いい道だって……親は思ってるんだろうね」
「もうちょっと……根性のある奴だと思ってたのになあ……」
四対は、宙を仰ぐ。
「……佐伯は……千さんと知り合って、本当変わっちゃったよ……。金銭感覚が」
「あいつ、気前はいーんだ」
「私もかなあって言ったら、四対さんに、スーパーのリンゴの皮出すなら大丈夫だって言われた」
「(笑)、まあ、それが庶民だろ?」
四対はふざけ顔で言ったが香月は、
「そうだよ……私たちが稼ぐお金なんて知れてる。だから私も、いつもスゥィートとか泊まるけど、それは自分のお金じゃないって、ちゃんとするようにしてる」
「例えば?」
四対は、お茶を飲みながら聞いた。