しばらく考えるが何も出てこない。
「私が牧さん紹介した図と同じでしょ?」
「あ゛―!! そうか、そうか……そう思えばそうだなあ……」
「ダメですよ、あれは」
「そう、で、さ、けど私と四対さんはそういうランチとかの仲じゃないし」
「え、しないんですか?」
「するけど、そんななんというか、高いランチじゃないとダメじゃん?」
「……まあ、味が良かったらいいとは思うけど」
「そうなんだけどぉ、特にその前の週に、普通の店のランチ行って、途中で食べなくなった事件があった後だからさ。余計に、こう、思ってね」
「うん」
「で、アップルパイ作るから、食べてみてって作戦にしたの」
「え゛―、なんかなあ……。それ、先輩の手作りなんでしょ?」
「だって……それくらいしか思いつかなかったんだもん。しかも、2時、3時の1時間か、夜中しか空いてないっていうからさあ、でも、呼び出すにもなんか、こっちが手間かけたって誠意を見せないとって思ってぇ」
「で?」
「でー、中央公園の近くで仕事してるからってゆーから、中央公園で1時間アップルパイで息抜きしようってところに多岐川さん登場」
「(笑)、どっか行け!」
 佐伯は予測した。
「いや(笑)、無視で済んだよ」
「(笑) 良かったじゃないですか(笑)、けど睨み顔が思い浮かぶ」
「でねー、無視して帰られてさ、多岐川さんには、なんで手作りのケーキなんだって怒られた」
「さすがにそうでしょ!!」
「そんなだってさあ……じゃぁどうすればよかったの??」