あ゛―、予想通り。四対は、無反応。ちらっとも見ない。
「え、あ、あの、今日はね、その、久々にあっパルパイとか作っちゃってね、それでまあ、あ、その、6個もあっても食べきれないから、多岐川さんも食べるよね!?」
見た瞬間後悔した。あ゛―、すごくきれいに口紅が塗られている。
「何でだよ、これ、俺に作ったんだろ?」
四対はこちらを見て声を上げた。
「え、あ、うん、でもいっぱいあるし……」
「残りは持って帰る」
「あそう……」
「四対さん、ですよね、雑誌で拝見しました」
さすが多岐川、押してくる。
「……」
それでもこの無視。さすがだ……。
「アップルパイ、お好きなんですか?」
その質問に、四対はようやく、何なんだと、睨み調子で顔を上げた。
「いえ、あの……、アップルパイが、というわけではないかもしれないんだけど、ね?」
良かった、何も言わずに許してくれる。
「私も料理好きなんです! 特にお菓子つくりが得意なんです」
「へー、すごいですね!! 私なんて全然ダメで……」
「良かったら、四対さんにも食べてもらいたいなあ、とか」
「う、うんうん、そうだね!! みんなで食事とかしたいよね!!」
そう言い切れたと思うと、四対は突然食べ残しを箱の中に入れ、白い箱を持って
「帰る」
と、だけ言って立ち上がった。
あちゃー……。
「え、あ、……あー……」
早歩きで、既に公園から出て行ってしまいそう。
香月は仕方なく多岐川の方を向いて、
「ね。自己中で……」
「何で手作りのお菓子なんですか?」
多岐川はそれはそれは怒りの表情を少しも隠さないでいた。
「え……」
「結局自分だけいい目しようってことじゃないんですか!?」
「え!? そんなわけ……」
「え、あ、あの、今日はね、その、久々にあっパルパイとか作っちゃってね、それでまあ、あ、その、6個もあっても食べきれないから、多岐川さんも食べるよね!?」
見た瞬間後悔した。あ゛―、すごくきれいに口紅が塗られている。
「何でだよ、これ、俺に作ったんだろ?」
四対はこちらを見て声を上げた。
「え、あ、うん、でもいっぱいあるし……」
「残りは持って帰る」
「あそう……」
「四対さん、ですよね、雑誌で拝見しました」
さすが多岐川、押してくる。
「……」
それでもこの無視。さすがだ……。
「アップルパイ、お好きなんですか?」
その質問に、四対はようやく、何なんだと、睨み調子で顔を上げた。
「いえ、あの……、アップルパイが、というわけではないかもしれないんだけど、ね?」
良かった、何も言わずに許してくれる。
「私も料理好きなんです! 特にお菓子つくりが得意なんです」
「へー、すごいですね!! 私なんて全然ダメで……」
「良かったら、四対さんにも食べてもらいたいなあ、とか」
「う、うんうん、そうだね!! みんなで食事とかしたいよね!!」
そう言い切れたと思うと、四対は突然食べ残しを箱の中に入れ、白い箱を持って
「帰る」
と、だけ言って立ち上がった。
あちゃー……。
「え、あ、……あー……」
早歩きで、既に公園から出て行ってしまいそう。
香月は仕方なく多岐川の方を向いて、
「ね。自己中で……」
「何で手作りのお菓子なんですか?」
多岐川はそれはそれは怒りの表情を少しも隠さないでいた。
「え……」
「結局自分だけいい目しようってことじゃないんですか!?」
「え!? そんなわけ……」