「この年になって、こんなに大勢で誕生パーティなんて……嬉しいのやら、寂しいのやら……」
今井は自宅に集まった数人の前で、既にワインでそこそこ酔いながら、目をとろんとさせて呟いた。
「どうして寂しいんですか?」
ソファではなく、地べたに座り込む今井の右隣に位置した香月より2つ下の多岐川が、どうでもよさそうに、自分の髪を少しだけつまみ、毛の先を眺めながら聞いた。
「……結婚したいなあ……」
「……」
「酔ってるね、今井さん」
香月の右隣に座っていた成瀬は言う。
「うん、完全に」
香月もそれに答えた。
今井の37歳のバースディパーティは誰が主催者なのか知らない。が、とりあえず香月は本人である今井に声をかけられた為、来ざるを得なくなった。聞けば、成瀬がいるというので、それならば、……というか、例え知り合いがいなくても、誘われれば断れなかったとは思う。
集まったのは、今時のファッション雑誌から飛び出たようなまだ若い多岐川、いつもの成瀬、香月、意外に今井と仲の良い永井、と、後一人は香月が全く知らない庶務課の今井と同い年くらいの女性であった。とにかく、独身が大勢集まっての、座談会に過ぎない誕生パーティと称された飲み会は、ただ、だらだらと続く。
「けど今井さんは、今まで数々の男を振ってきたから、そうなるのよ」
庶務課の女性は言った。
「僕もそうだと思いますよ」
さらっと永井は言う。
「ありがとう!! 嬉しいけど、永井君に言われても……」
「何ですか(笑)」
永井は少し眉をひそめて笑った。
今井は自宅に集まった数人の前で、既にワインでそこそこ酔いながら、目をとろんとさせて呟いた。
「どうして寂しいんですか?」
ソファではなく、地べたに座り込む今井の右隣に位置した香月より2つ下の多岐川が、どうでもよさそうに、自分の髪を少しだけつまみ、毛の先を眺めながら聞いた。
「……結婚したいなあ……」
「……」
「酔ってるね、今井さん」
香月の右隣に座っていた成瀬は言う。
「うん、完全に」
香月もそれに答えた。
今井の37歳のバースディパーティは誰が主催者なのか知らない。が、とりあえず香月は本人である今井に声をかけられた為、来ざるを得なくなった。聞けば、成瀬がいるというので、それならば、……というか、例え知り合いがいなくても、誘われれば断れなかったとは思う。
集まったのは、今時のファッション雑誌から飛び出たようなまだ若い多岐川、いつもの成瀬、香月、意外に今井と仲の良い永井、と、後一人は香月が全く知らない庶務課の今井と同い年くらいの女性であった。とにかく、独身が大勢集まっての、座談会に過ぎない誕生パーティと称された飲み会は、ただ、だらだらと続く。
「けど今井さんは、今まで数々の男を振ってきたから、そうなるのよ」
庶務課の女性は言った。
「僕もそうだと思いますよ」
さらっと永井は言う。
「ありがとう!! 嬉しいけど、永井君に言われても……」
「何ですか(笑)」
永井は少し眉をひそめて笑った。