「……あの人の彼女が、今までの歴代の彼女が、モテてたって意味ですか?」
「ちょっと違うかな。でも、近い」
「……」
 香月は、附和を真剣に見つめた。
「僕は慣れてないからね、そういうの。好きな女は閉じ込めるタイプ」
「閉じ込めるって?」
「すぐ飼いならしちゃうの。意外でしょ?」
 そう言われると、何かの事件みたいに、裸の女性が首をを繋がれている図しか思い浮かばなかった。
「……なんか、他に言い方なかったんですか?」
「(笑)、いい表現だと思うんだけどなあ」
「全然……飼いならすって……」
「麻薬、とは表現が悪いか。魔法、かな。僕色に染めるって意味」
「はあ……」
 私は……麻美色に染められているだろうか?
「けど、君くらいだね、麻美色に染まらないのは」
「え……」
 いきなり答えが出て驚いた。
「染まりきる方が面白いはずだけど……」
「……」
 突然附和は、前に一歩出た。つまり、これで幕引きをしようというのである。
「あのっ……」
「リョウヤのことは任せて。でも借りはちゃんと返してもらう」
「借りって!! じゃぁいいです、何もしなくて!! 借りなんて、返せません!!」