って、そういう風に考えてるんだろうって」
『完全な妄想だろ?』
「そうなんですよ! なんだか……正義感に溢れてます。いつも」
『真藤さんに相談するよ? 何かあってからでは遅い』
「あ、それいいですね!」
 なるほど店舗へ落とすというう方法があったか! どうして今まで思いつかなかったんだろう、というくらいの、名案である。
『すぐに飛ばしてくれるだろう。真藤さんも分かってくれる人だから』
 となれば、真籐にも睡眠不足で悩まされていることをもっとアピールしておけばよかったな。
「うんうん♪ 良かった、明日から安心して会社行けます。最近ちょっと寝不足だったんですよね……なんかこう、せっかくうまくいきはじめたのに、不安を感じて」
『ああ……、それなら良かった』
 沈黙が怖くて、香月はすぐに喋りだした。
「すみません、宮下部長にはこんな話し、するつもりなかったのに」
『香月のトラブルには慣れてるよ』
 宮下は冗談半分で言ったつもりのようだったが、香月は真剣に落ち込んだ。
「……すみません……」
『いや、なんというか、それが俺の役目……なのかな。例えば、今井さんの愚痴をちゃんと受け止めるのも俺の役目、村瀬部長を宥めるのも俺の役目。香月の相談を聞くのも俺の役目』