「……見たかもしれません。分かりません、半分想像です。
捜査に協力してほしいと思うかもしれません。でも私は、私なりに協力しています。きっと私もちゃんと知っていて、理解したなら言えると思います。けど私は本当に知らない。私が知りえることなんて、たかがしれてます」
香月は腕時計を見た。安物のファッション時計は、愛用しているが、3万もしない。
「もういいですか? 私、今から行くところがあるんです」
「もう少し」
紺野はひるまない。
「質問を変えます。彼女は元気そうでしたか?」
「……知りません。例え、見たとしたって、見ただけじゃ元気かどうかは分かりません」
「一般的に」
「……、知りませんよ……もういいですか?」
「いえ、返せません。今日帰られても、あなたは重要参考人で署まで同行してもらいます」
「え!?」
「それくらいの情報は持っていると思います」
坂上は言うだけ言うと、車の外へ出た。
「え……ちょっと……待ってくださいよ! そんな、大体大人の行方不明なんて、捜査しないんでしょう!?」
「ちょっと……ある事件に絡んでいます。だから、事実上ただの失踪ではありません」
「……、とにかく、私は帰ります」
「帰って巽に確認するのですか?」
「そう思いたければ、思っていて下さい。とにかく、私はこの後の用事に遅れるわけにはいきません。だから、帰ります」
「……いえ」
外に出たはずの坂上が車のドアを開けて再び入り込んだ。
「実はあなたが、アパートに一度行ったところを監視カメラがとらえています。これがその、写真です」
まさか、そんな、……知られていたなんて……!
「あなたには、重要参考人として、署までご同行お願いします」
「えっ……」
何で、こんなことに??
「香月さん……、署でゆっくり話を聞かせてもらいますよ」
「……」
涙が溢れた。私、どうしたらいいの……?
♦
捜査に協力してほしいと思うかもしれません。でも私は、私なりに協力しています。きっと私もちゃんと知っていて、理解したなら言えると思います。けど私は本当に知らない。私が知りえることなんて、たかがしれてます」
香月は腕時計を見た。安物のファッション時計は、愛用しているが、3万もしない。
「もういいですか? 私、今から行くところがあるんです」
「もう少し」
紺野はひるまない。
「質問を変えます。彼女は元気そうでしたか?」
「……知りません。例え、見たとしたって、見ただけじゃ元気かどうかは分かりません」
「一般的に」
「……、知りませんよ……もういいですか?」
「いえ、返せません。今日帰られても、あなたは重要参考人で署まで同行してもらいます」
「え!?」
「それくらいの情報は持っていると思います」
坂上は言うだけ言うと、車の外へ出た。
「え……ちょっと……待ってくださいよ! そんな、大体大人の行方不明なんて、捜査しないんでしょう!?」
「ちょっと……ある事件に絡んでいます。だから、事実上ただの失踪ではありません」
「……、とにかく、私は帰ります」
「帰って巽に確認するのですか?」
「そう思いたければ、思っていて下さい。とにかく、私はこの後の用事に遅れるわけにはいきません。だから、帰ります」
「……いえ」
外に出たはずの坂上が車のドアを開けて再び入り込んだ。
「実はあなたが、アパートに一度行ったところを監視カメラがとらえています。これがその、写真です」
まさか、そんな、……知られていたなんて……!
「あなたには、重要参考人として、署までご同行お願いします」
「えっ……」
何で、こんなことに??
「香月さん……、署でゆっくり話を聞かせてもらいますよ」
「……」
涙が溢れた。私、どうしたらいいの……?
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