「俺の責任だ。反省している。二度とお前から目を離したりしない」
巽の視線の重さに耐えられず、巽の方を見ることができない。
「まだしばらく、考える時間が必要か?」
何のことを言っているのか一瞬分からなかった。だが、すぐに理解する。
「…………」
私は、そんなことが今聞きたかったわけじゃない。
今は仕事に悩んでて、結婚がどうとか、うまく考えることができない。
巽との関係が友達以上夫婦未満だなんて、軽く考えていたのはどうやら自分だけのようで、巽の中では既に全てが決まっているようだ。
「……責任とれよ」
巽は、頬を親指の腹でなぞりながら言う。
キスされるかもしれない、余計な邪念が働いたせいで、言葉を返すことができなかったた。
「嫌だと逃げても、殺して俺の者にするからな」
殺して、という言葉が嘘に聞こえなくて、固まってしまう。それに気づいた巽は笑いながら続けた。
「待つのはいくらでも待つ。だが、お前は俺が待っているということを覚えておけ」