手のひらに握られた、小さな水色のピック。

仮にもし、あの夢が本当に「心霊現象」なのだとして。

すると、これが俺とアイツを繋いでいるってこと、か。

普通なら、こんなもの気持ち悪がってすぐに捨てるべきだろう。

そう、捨てるべきなんだ。


なのに・・・

頭によぎるのは、あの漆黒の瞳。

思ったそれに、俺はぶんぶんと頭を横に振った。


・・・まだ捨てないのは、ただの気まぐれ。

捨てようと思えば、いつだって捨てられるんだから。

それだけ。

ただそれだけのこと。


思考を邪魔するように、一気に眠気が襲ってきて。

瞼が重くてしょうがない。

俺は観念したかのように、そのまま目を閉じた。