ある日、いつものように私達は共に食事を取っていた。

この頃には流石に彼の野菜嫌いも治まっていた。

まぁ、社会に出るのだ、そのくらいは当然だろう。

同時に、自分の役目がきちんと果たされていることに誇りを抱く。

などと感慨に耽りつつも、彼との会話をこなしていると、流しっぱなしにしていたテレビに、『我々』の宣伝が流れる。


「へぇ、今じゃこんなになってるんだ」


感心したように彼が言う。


「そのようですね」


そろそろお伝えしてもよい頃か。

私はずるずると見誤っていた時期が来たことを感じ、彼に話題を振った。