「まぁそんなわけだから、これからも僕の誕生日を一緒に祝ってくれると嬉しいな」


食器を片付けながら、彼が言う。


「えぇ、それはもちろん」


それが、彼の望みであるならば。

私には、断る理由がない。

私の答えに彼は「よかった」と一つ頷き、そそくさと台所へと食器を運ぼうとする。


「ちゃんと野菜は全部食べましたか?」


釘を刺すことは、もちろん忘れない。

ぎくりと足を止める彼を見て、なるほど、まだまだ子供だ、と言う感想を抱いた。

少なくとももう少し成長をしなければ恋人はできないだろう。


「本当に母親みたい」


やれやれとため息をつきながらそのようなことを言う彼に、私は微笑みかけた。

どこか、温かい喜びのような感情を抱きながら。