「とりあえず、できる予定はないと思うよ。多分、ずっと」


照れた様子で彼が頬をかく。

そうなのだろうか、彼はそれなりに好意を抱かれる部類の人間であろうと私には感じられたのだが。

恋人とはそのような要素でできるものではないのか。

なかなか難しい概念のようだ。

私が新しく入った知識について考察していると、


「なんか、母親みたいなこと言うんだね」


そんなことを、彼が笑いながら言った。