誕生日が近付くと、私はリサーチを怠らなかった。

彼の一挙一動に目をやり、何に興味を持っているのか、何を楽しいと感じているのかを観察する。

観察結果を総合的に考察して、現在の市場の商品でそれに最も適合するものを選ぶ。

勿論価格も考慮する。

値が張らず、彼が負担を感じずに済むようなものを。

……ちなみにその予算はマスターの遺産から頂いてまかなっている。

多分許していただけるだろう、許容範囲だろう、いやきっとマスターが生きていたならやはり息子にプレゼントを贈ったはずだ、だからこれはマスターの代わりにもなるのだから大丈夫だ。

などと、妙な言い訳もできるようになった。