「はじめまして」


ようやく私が言葉を切り出したのに対し、息子は、


「ちがう」


ぽつりとそう漏らし、離れて行ってしまった。





何が『違う』のか。

その時の私には理解できなかった。

それきり、彼が笑うことはなくなってしまった。