マスターがいなくなって数日後のことだ。

息子が、ぽつりと私に尋ねたことがあった。


「なんでとうさんもかあさんもいなくなっちゃったのかな」


「不幸な事故だったのです」


「僕がいい子にしてなかったせいなのかな」


「そんなことはありません、貴方は十分いい子にしていました」


「じゃあ、何故?」


「……不幸な、事故だったんです」