「季節の変わり目を見て、何かを感じてみたり。

空の青さに感動してみたり。

落ち行く枯葉を見て命の儚さを哀れんでみたり」


「風流、というものですか」


「そんな感じだね。でも、言葉だけ知ってても意味ないから」


「はぁ」


「寂しくなるもんだね、この季節は」


彼の言うことは、いちいち的を射ていないような、どうも曖昧な表現が多く、私には理解できない事柄が多かった。