「季節が流れていく様は面白いよね」


マスターがぽつりと漏らした。

私は庭に散らばった落ち葉を掃除しながら、そうですか、と答える。


「生き物の無常さと強さを感じられるよ」


はぁ、と答えながら、私は落ち葉を掃き続ける。

掃いても掃いても降り落ちてくる枯葉。

確かに無常だ。情け容赦ない。

人間ならばこの作業にそろそろ飽きてくる頃だろう。

ちなみに私がこの作業を始めてから、既に1時間と25分経過している。

そんなに細かくやらなくていいよとマスターに笑われ、ようやく私はその作業を止めてもいいことを知った。