十分ほど歩いただろうか、なだらかな上り坂を上り、木々の合間を抜けて辿り着いたのは、小高い丘だった。

そこだけぽっかりと開けており、ちょっとした広場のようになっている。

家のすぐ近くにこのような場所があったことを、私は知らなかった。

ここが彼の遊び場なのだろうか。

それにしては何もない場所だ、と思っていると、彼が丘の頂上の方へ登っていく。

崖というほど切り立った場所ではないが、それでも危険だ。

すぐに助けられるようについていくが、彼は丘の端にまでは行かなかった。

その少し手前、土の盛られた、小さな小さな山の前で立ち止まり、座り込む。

花が添えてあるが、これは、何なのだろう。