相変わらず息子に笑顔はない。

それを私は残念に思うが、しかし他に方法が思いつかない以上仕方ない。

藁をも掴む、とはこのような状況を言うのだろうと、身を持って理解した。

しかし、手掛かりが全くないわけではなかった。


彼が私といる時間が少しずつ増えている。


僅かだけれど、それは手掛かりと呼べるのではないだろうか。