「変な頼みごとをしていいかな」


ゆっくりと食事を取り終えた彼が、私の顔を見つめてくる。


「どうぞ」


「僕が死んだら、あの丘に埋めてくれないかな」


「承知しました」


間を置かずに、私が返答する。


「話が早くて助かるね」


くすくすと、何が面白いのか、彼が笑った。

そして、


「置いていくことになって、すまない」


真剣な声音で、詫びられた。



私は、その言葉に、何も返す言葉が見つからなかった。