「風きもちーね。」


「あぁ。」


地元駅に到着し

朝と同様にナオのこぐ

自転車の後ろに乗る



「転校生来るとは思わなかったね。
しかも帰国子女だなんて。」


「そうだな。」


「なんかモテモテだったし…
舞なんか完全に
目がハートだったよ。」



ナオの大きな背中に向かって

話しかければ

無愛想に返ってくる声。



こんな会話をしている時が

あたしにとっては

けっこう幸せだったりする。