私は今日から、この梓高校に入ることになっている。

転校生かぁ・・・・・。

緊張するなぁ。

先生の後ろを、ゆっくりついて歩く。

「上森さん。緊張してる?」

にこりと笑う先生に緊張が、少しだけ緩まった気がした。

「少しだけです。」

ひきつった笑みを浮かべて、
歩く。
ふと、先生が立ち止まる。

「ちょっとここで待っててね」
「はい。」
先生が、教室へ入って行った。

教室が、騒がしい。
なんだろう?

興味が沸いて、教室の中を少しだけ覗いてみる。

男の子?

黒板には『上森宏海』と書かれていた。

かみもり・・・・?

私と同じ名字だ・・・・。

茶色の髪に、まるくて大きい目

遠目で見ると、女の子みたいだ
った。

私より断然、可愛いかも。

ぼーっと見つめていると、先生が、ぱちりと目で合図してきた。

がらがらといかにもな、音をたてて開く扉。

緊張を抑えて、つかつかと教壇へ上る。

「上森そら(かみもりそら)です
宜しくお願いします。」

勢いで、とにかくにこりと笑う。

教室は、静まり返り居心地が悪かった。


なんか、変なことしたかな・・・


隣の上森君も、何故か目を見開いていた。