「ただいまぁ」

「珠利ちゃん、お帰り。
ママ、今日ケーキ作ったの!
もぉちょっとでデコレーション終わるから先に着替えちゃいなさい」

うぅ…
ママ、スッゴく張り切ってる。
うーん… じゃあ、ケーキ食べたら寝よう。

「はぁい」




「わぁ! スッゴく美味しい!!」

「ほんとッ!? 頑張ったかいがあったわ!!」

ドキッ!!
なんだ、『かい』って言葉に反応しちゃつた。

「ママはホントケーキ作るの上手だね」

「……ねぇ、珠利ちゃん。
顔赤いけど、どうしたの?」

「へッ!? 少しぼ~ッとするだけだよ?
頭痛いって清香には言ったけど… 
それとはなんか違うんだ」

「ふ~ん…
ママ、分かっちゃったかも♪」

「なにが?」

「好きな人ができたんじゃない?」

ドキーンッ!!

ゴホゴホッ!!!

「あらあら、大丈夫?」

ママはなんでもお見通し。
勘が働くっていうか、私の心を私より知ってる。