「なんか、顔赤いよ?」

「うん、ちょっと頭痛いの。
でも大丈夫だょ」

「かせ。」

そう言って、山下君は私の鞄を持った。

「送ってく。」

な、なんか
怒ってる?

「平気だょお」

「病人1人で歩かせたら危ないだろ。」

「で、でも…」

「はい、着いてくる。」

「ゴメンね」

とてつもなく、申し訳ない。





「あ、この辺でいいょ。
荷物ありがとぉ」

「こっから近いのか?」

「うん、これ曲がれば入り口だから」

「矢野さんの家でかいんだな…」

あ然としてる山下君。
確かに私のお家は庭が広くて
今でも私は迷子になるくらい…
私が方向音痴っていうのもあるけど。

「お母さんの要望で、お父さんが建てたんだって。
送ってくれてありがと」

「そうなんだ。
じゃあな、お大事に」