「朝食なに?」

「クロワッサンとヨーグルト」

急がそうに母親は答えた。

「ヨーグルトだけでいい」

「ちゃんと食べないと体もたないわよ」

「大丈夫だから。」

そう答えてヨーグルトを食べた。

「いま何時?」

俺は急いでいた。

朝結愛に会えないと俺の一日は

始まらねぇんだ。

「7時40分。」

そう母親は答えた。

7時40分!?

やばい会えなくなる

「行ってくる」

返事も待たずにバタバタと

家を出た。

早くいかなきゃ

結愛に会わなきゃ

その気持ちが俺を前に進めた。

夏の太陽は

白く街を輝かせていた。

ミーンミンミンミン…

俺の嫌いなセミの声。

街にこだまし続ける。

結愛の家に近づくたびに

鼓動は早く鳴ってく。

汗はじわりと額を流れる。

7時52分。

ようやく結愛の家についた。

結愛と待ち合わせの3分前。

家から結愛の声が漏れる。

結愛に送信。

「いまついたよ」