「葵、お兄ちゃん忙しいんだから。」

「ごめんな、葵」

「うん…じゃあ葵待ってるね」

「ありがとう」

おれはリビングを出て

シャワーを浴びた。

頭の中は結愛のことで

いっぱいだった。

まだ少し濡れたままの肌に

シャツを羽織った。

肌はやば透け透け。

いつもこうやって

朝から結愛をいじめる準備をしている。

髪はもちろん乾かさない

廊下で母親とばったりあった。

「また結愛ちゃんをからかうの?」

別にいいじゃんか。

こうやって

何気ない1日が幸せなんだから。