「健汰が無事でよかった」

「本当ごめんな。」

「もう、心配させないでよ?」

「おう。」

「なんかあったら私に行ってね」

「りょーかいです」

健汰は少しふざけながら答えた。

「ね…健汰」

自転車を止めて

原っぱに座って

健汰に膝枕してもらった。

「ん?なに?」

「今日、ありがとうね。

時間作ってくれて嬉しかった」

「いいよ…

俺も楽しかったし」

「でもなにもできなかったね」

「さすがに照れてしまったな。

俺」

「健汰の弱虫」

「結愛ほどではないよ」

「っ…」

「なぁ…結愛?」

「なにぃ?」

「キスさせて」

「健汰?」

「今日、やりたかったから」

甘い音が響いた。