「榎本先生ひどいよ。
僕は湯なのことどうでもいいと思ってるって
そう思ってたんだ…」
「そんなことはない」
「じゃあなんで
もっと早く行ってくれなかったんだよ!!
あの時治ったなんて言わなかったら
あの日の結愛の告白なんか受けなかった。
大事な人なんか作らなかった。
未来も見つめなかった。
理想も夢も描かなかった。
希望とか光さえも持たなかったのに。」
そうやってうまくいかない人生を
受けたくない現実を
結愛を失う怖さと
結愛を悲しませる苦しみを
担当医のせいにしてた。
そして俺は病院を走り出して
自転車に乗って
ある場所まで向かってた。
後々考えると
先生に酷いことをした。
俺がいま向かってる場所。
なんかあったら来る場所。
そして俺の一番大切な場所。
いつか結愛だけに
知っておいてほしい場所。
俺と結愛のstoryは
まだ序盤にも過ぎなかった。
2人のstoryはいまから始まる。
たった半年だったけど
俺が結愛に捧げた半年。
一番大好きな結愛で埋め尽くされた
死んでも忘れちゃいけない
人生最高の愛の半年。