「彼女?」

「先生知ってますよね?

哀川結愛です。

僕の肩より未だ少し背の低い

かわいい女の子です。

結愛は僕がいないとダメなんです。

生きていけないんです。

どうしても僕が隣にいないとダメなんです。

今日お互いがいない4時間を過ごしました。

たった、4時間を。

彼女を向かいに行ったとき彼女は

希望をなくした顔をしてたんです。

彼女はこれほど弱いんです」

俺はどうしても彼女を守りたい…。

彼女のそばにいたい。

ただその一心で…。

彼女を幸せにするんだ。

固い決意で…。

彼女とあと五年後結婚して

彼女を幸せにするんだ。

その約束で

約束した未来で

いまの心の中はいっぱいいっぱいだった。

でも先生が言うには

末期 だから

もう助かりそうにはないみたいで…。

転移は手の施しようのない場所にまで

及んでいるようで。

誰より俺が結愛を幸せにすると決めた決意は

病気と言うピストルから発射された球に

脆くも崩されるわけで。

そんなの頭の中じゃ理解してた。

でも飲み込めるわけもなくて

現実逃避してる自分がいて