4時
結愛を家まで送り届けた。
結愛はまた悲しそうな表情をする。
“帰ったらまたメールするから”
そう約束をして自転車で病院まで向かった。
俺の家から病院までは40分もかかるが
結愛の家からは10分でつく。
病院に着くやいなや
担当医のいる部屋まで向かった。
いまはなんともない体だが
昔は病気ばかりしてた。
いわゆる病弱だったのだ。
病気が治っては風邪引いて
ずっとこんな感じだった。
ノックをして部屋に入った。
「お久しぶりです」
「久しぶりだな健汰くん。」
「どうしたんですか?
急に呼び出しって。」
「病気が再発したんだよ…」
目の前に闇か広がった。
「榎本先生、再発ってどういうことですか?
あの時に治ったんじゃないんですか?」
「治ったって思ったよ。あの時。
手術が成功したと思った。
だけど腫瘍の欠片が残ってて
また再発してしまったんだよ…」
「治るんですよね」
「治らないかもしれない。
末期のガンなんだ。」
「先生知ってますよね?
僕には彼女がいるんですよ。
俺が守らないとそばにいないといけない
彼女がいるんです…」