意外にも、単純な答えだった。

優士は私に背を向けて、歩いていく。

『ちょっ………!待って待って!』

私は、必死で優士を抑えた。

「まだ何かあんのかよ」

………何もいってないですけど。

そんなツッコミが出掛かったのを余所に

私は丁寧に口を動かした。


″寝床、ちょうだい″


優士は多分だけど笑った気がする。

いや、きっと笑った。

切れ長な眼とは裏腹に……

優しく垂れ下がった眼をして。