「マチヤさん!こっちから声が!」

「……分かった」

ドク。

声が聞こえる。アイツだ。

さっき、あの部屋から…逃げた筈の

あの主の声。

ドクドク、ドクドク、ドクドク。

胸が高鳴る。好きとか、

そんな生易しいものじゃなくて。

怖い、怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い。

肩が揺れ、恐怖に陥る。


────……″ギュッ″。


突然抱きしめられ、キ……ス………。

これまでした事の無いような、優しいキス。

私はマチヤがただただ怖くて、優士に身を委ねた。

「違うか」

チッと舌打ちを一つするエデンの面子。

その足音が遠ざかるまで、

唇と唇を重ねただけの

フレンチなキスをした。