去年、か…。


『沢良木先輩と美咲先輩、そして先輩の友達数人に、俺たち。
10人以上の高校生が集まって馬鹿騒ぎして、補導されてもおかしくない状況だったよなぁ』

「…そうだな」


『でもすげー楽しくてさ、“今”がずっと続いていけばいいなって思ってた。
…結局、俺たちみんな変わっちまったけど。 でも、あの時は確かにそう思ってた』

「…うん」


…俺も、そう思ってた。


ちょっと大人ぶって笑う美咲が居て、その隣に、爽やか笑顔の良きアドバイザー、沢良木先輩が居て、
女のケツばっかり追いかけてる大雅と、その隣で豪快に笑う健吾。

そして、今と変わらず…と言うか、今よりもクールで謎めいた男、朔也。


当たり前のように一緒に居た俺たちは、当たり前のように笑ってた。
そして、そんな時間が当たり前のように続いていくんだと思ってた。




『俺たち、1年でずいぶん変わっちまったな』

「…でも、後悔はしてない。
て言うか、こうなったことに感謝してる」


みんなで過ごした日々は、マジで楽しかった。
後半は、強要とか裏切りとか…、確かに嫌なことはあったけど。

でも、みんなと過ごした日々があるから、今の俺が居る。




「…クリスマスの日に、真由と出会えて良かった。
アイツと出会っていなかったら、俺はきっと今でも荒れてて、馬鹿みたいなことをして、後悔しかない道を歩んでた。

真由が、暗闇に居た俺を救ってくれたんだ」