慌てている友達の声が携帯から聞こえた。
「あぁ…今はね−…体育館前のベンチに座ってる−!」
そう言って辺りを見回していると
キョロキョロしている友達を発見した。
「あ…実穂ー!こっちこっち!」
『おーごめん!待たせた?』
「大丈夫っ」
『よかった−』
少し焦り気味だった実穂はホッと息をついてそう言った。
実穂は同じ中学校の友達。
この高校の願書を取りに行く時に知り合った。
それまで関わりはなかったけど
とても気さくですぐに仲良くなれた。
さぁ いよいよ入学式だ。
上履きに履きかえて
ドキドキしながら階段を上っていく。
たくさんの教室…全く知らない人達…。
たくさんの教室の中から
自分の教室を見つけだすのには少し苦労した。
教室に入ると全く知らない人達ばかりで
…ホントにやって行けるのか不安でいっぱいだった。
知らない先生が入ってきて
軽く自己紹介を始めて入学式の内容を説明した。
入学式をする為に私たちは体育館に移動した。
体育館はたくさんの人でにぎわって拍手で入学者達を迎えた。
新しい制服に身を包んで嬉しさと緊張が滲み出ていて
いかにも「入学式」という感じだった。
ここから私の高校生活が始まるのかと思うと
ウキウキでとても楽しみでいっぱいになった。