私に向かって大きな声が、廊下で響いた。
「あ~や~か~ちゃんッ?なんで、学校くるなら来るって言ってくれなかったのかなぁ?」

目の前でオーラでも出てるんじゃないかと思うほど、見事に髪をたなびかせ、目をぎらつかせている・・・私の親友・・・。
「ご、ごめんなさい・・・七海・・」
うわ~・・・ななみぃ・・・こわいよう。

「仕方ないなぁ・・・彩華は・・許してあげよう。」

「えっ?本当?」

少しだけ顔を上げてみると、やっぱり怒っている七海がいた。因みに七海は私の親友!

「なんてね。許すわけないでしょうが!どれだけ心配したと思ってんのかわかる?え?わかるの?」

さっき言っていた、言い訳なんて通じるはずもなく・・・そう!私が忘れていた、大切な事・・・それは・・・友達の七海に学校に今日から行くことを伝えていなかったことなのだ!

「う、うん・・・とにかくごめん・・・だけど、見て!私大丈夫だから、ね?」
相当心配していたのかな?
私が学校に来てなかったこと・・・

「もう!彩華・・・七海は心配しすぎて、勉強が手につかなかったんだからね!これからは責任取って・・・元気に学校に来ること!これは契約・・・分かったらいつも通りニコニコ笑ってよ?」

ほら。と七海が口の端を指で上げた。
釣られて私も笑ってしまった。

「ほらっ!彩華は笑ってたほうがかわいいんだから。」
「うん、ありがとう。七海!」
「ほら、授業始まっちゃうんだぞ!」

ポンっ!と背中をおして、頑張れ!と言った七海は、振り返った時には居なかった。
「さっ・・・元気に学校にくる・・・『契約』だもんね。」


『頑張ろ、私!!』