「好きだ」


嘘をつく必要もねぇしな。


それに、この場合は嘘をついた方が負けだ。


特にこいつに対しては。


「…そうか。…お前、天龍なんだろっ?」


…隠してるけど…いっか。


いつかはバレる事だし。


「ああ」


「あいつさ…ときどき壊れるんだ」


壊れる?


あの真冬が?


「…だからもし、壊れたら大樹か勇気さん、理事長に知らせろ」


大樹に勇先、理事長……。


みんな知り合いなのか?


中学生に鬼怖教師、不良をいとも簡単にに束ねてしまった理事長。


どういう経由で知り合ったのか気になるところだな。


「わかった」


こいつの顔は真剣そのものだ。


信じないわけにはいかない。