「桜って龍にベタ惚れしてるのね・・・」


今更ながらにつきつけられた?、桜の想い。


「当たり前、だって俺眼中無しだったからね・・・」


「それはすごい」


自慢とかではなく、龍も並にかっこいいが、巧はそれ以上というか。


しかも巧の方が、何倍も愛想がいい。


たいていの女子は巧に惚れる。


「あたしもあれくらいなのかな」


ぼそっと呟いて嫌気がさした。


こんなこと言ったら巧がニヤニヤ笑うだけだわ・・・。


どうやら巧には聞こえていなかったようで、安心した。


そんないつもの朝を感じていたとき。


「おはよう、えみ」


・・・いつもの朝とは違う声がした。